〜泌尿器科疾患〜



1.尿路結石症(腎臓結石、尿管結石)
2.前立腺肥大症、前立腺癌について

 中高年の男性では、加齢とともに尿の勢いが弱くなったり、尿の回数が増えたりする症状が多数の人に出現してきます。これらの症状の原因としては、主として前立腺の肥大が関与しております。前立腺の肥大がなぜ発生するのかは、未だ不明ですが、組織学的には60歳代で70%の人に前立腺の肥大が起こっているとの報告もあります。また症状を有し、治療が必要と考えられる前立腺肥大症は全男性の60歳代で約30%、70歳代で約50%との研究結果があります。

 この前立腺肥大症に対する治療としては、大きく薬物療法と手術療法があります。一般的には、まず薬物で経過をみて症状の改善がない場合、あるいは尿閉(排尿が出来ない状態)などの高度な排尿障害を有する場合、手術の適応となります。

 手術は内視鏡を用いて(開腹しないで)経尿道的に肥大した前立腺を切除する方法(TUR−P)が標準的な手術方法です。これは前立腺を内部から少しずつ削りとる方法です。一般には腰椎麻酔で、開腹しないため手術後の翌日から歩行、食事ができ、高齢者でも安全に施行できます。また最近ではレーザーや、特殊な機械で前立腺を切除する方法も開発されております。

 前立腺肥大症は良性の腫瘍ですが、前立腺にも悪性腫瘍(癌)が発生します。症状が同じであるため、前立腺肥大症の診断にて手術を行い、その組織を調べた結果、癌が見つかることは臨床上しばしば経験することです。さらに最近では超音波(エコー)や、血液中の前立腺特異抗原を調べることで、早期の前立腺癌が発見できるようになってきております。

 早期の前立腺癌に対しては、前立腺を被膜ごと全部摘出する方法が、治療経過をみると一番有効と考えられます。高齢や心臓病などの合併で手術自体が困難と考えられる症例や、骨などに移転の認められる進行した症例では薬物療法が主体となります。

 今後ますます高齢者は増加し、前立腺疾患も当然増えると考えられます。排尿に関する異常は「年のせい」と考えずに、専門病院へ早めに受診することが必要です。

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