〜胸の痛みについて〜



1.はじめに

 胸痛の原因は、心臓と血管の病気、肺や呼吸器の病気、神経の病気などがあり、そのほかに、胆石や胃潰瘍などで痛くなることもあります。呼吸器から来るものは気胸、神経から来るものは帯状疱疹が代表的です。
 今回は、心臓の原因が致命的ですので、その代表疾患である狭心症と心筋梗塞についてお話してみたいと思います。
 狭心症と言うのは、胸板の裏の疼痛や不快感で、普通、腕の動きや呼吸などに影響はなく、痛みも5分以内に納まるのですが、患者さんは、胸の圧迫感、重圧感、窒息感、そして、胸やけと言ったような表現をされます。しばしば、痛みは、みぞおち、左首すじ、左顎や左腕の痛みやしびれなどに放散します。

2.どのような方に多いのか

 この病気は40才過ぎの男性に多く、運動をしているとき、特に、食事直後の運動時に出現します。
また、暖かいところから急に寒いところに出たとき、怒りとか、恐怖感、 興奮したり、感情が高ぶった時心臓の負担を増し、発作を誘発します。
 症状のある患者さんを検査してみると、心臓に血液を送っている冠動脈に 異常のないものが約80%で、細くなったり詰まったりして異常のあるものが15〜20%位です。
 冠動脈に異常のないものは、冠動脈が痙攣して細くなり、血液の流れが 悪くなって発症するものと推定され、早朝にきまって胸痛がある人は、この 動脈が痙攣を起こす典型的な例です。
 これを異型狭心症と言い、普通は内服薬で症状がなくなります。
 そのほか、血中コレステロールが高く、血液の粘り気が増してすみずみまで流れて行かなくなり、発作を起こすこともあります。

3.冠動脈に異常があるときは・・・?

 冠動脈の異常で、内服薬でよくならないときは、狭いところを広げたり、バイパス術をして血液が充分に流れるようにしますが、普通、半分以下の狭窄では血液の流れる量が変わらないので、内服薬で様子を見ます。
 しかし、きつい狭窄がある場合はその部分をバルーンで拡張したり、細い所が数ヶ所ある時はバイパス術をして血液が充分に流れるようにしてあげます。
 そうすれば、胸の痛みも治まり、心筋梗塞の予防にもなります。

4.心筋梗塞とはどんな病気か・・・?

 冠動脈がつまって、心臓の筋肉に血液が流れなくなった状態を心筋梗塞と言います。
 この病気は、発生してから4時間以内に冠動脈につまっている血の塊を溶かし、狭窄部を広げて血液の流れをよくすると元に戻りますが、4時間以上経過した時は注射や点滴をしながら、72時間安静にして厳重に観察し、不整脈や心不全に対応します。
 この場合、不測の事態も考えられ、そのときは、心臓を補助する装置を使用せざるを得ません。
 この病気は一刻を争いますので、胸痛が30分以上続いたら、必ず専門病院に連絡し、受診することをお奨めします。

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